会計ソフトfreeeを利用停止する方法

会計ソフトfreeeを利用停止する方法

会計ソフトのfreeeに限らず、無料で簡単にアカウントを作成・登録できるものには、作るのが簡単な分、退会や解約方法が分かりにくいものがあります。

アカウント削除が円滑に行えないと言われることのある会計ソフトfreeeについて退会方法を確認していきます。

古藤 靖憲

株式会社Balance Network / freee認定アドバイザー3名在籍

税理士事務所で財務会計の道を歩んで10年、「企業にとってあるべき社外パートナーの役割とは?」を追求し続け、「その会社が永続的に成長し続けることのできる財務環境を整えること」がその答えであると、31歳のときに独立し、株式会社バランスネットワークを設立。

アカウント削除前に確認すべきこと

利用停止手続きを行う前に、利用中のアカウントの状況を確認しましょう。

メールの配信を停止したい場合や、事業所を初期化したい場合に関しては、基本的にアカウントを削除する必要はありません。

メールの配信停止

freeeのメール配信を停止する場合は、freeeアカウントにログイン後「ユーザー管理」から「メール配信設定」画面を開きます。

設定を変更するメールにチェックを入れて設定を保存します。

freeeから配信されるメールは以下の通りです。

・週次レポート(毎週)

毎週月曜日に、登録している事業所のレポートが送信されます。

・アップデート情報(不定期)

不定期で、freeeの新機能や活用アイデアが送信されます。

・コメント通知

freee会計で登録した取引や申請した経費精算にコメントがあった場合に、通知メールが送信されます。

・定期請求による請求書発行通知

freee会計の定期請求機能で、請求書が発行された場合に通知メールが送信されます。

・同期エラー通知

freee会計の同期機能で、エラーが発生した際に通知メールが送信されます。該当アカウントが事業所作成者となっている事業所だけが通知の対象となります。

・帳票作成完了通知

作成処理に時間のかかる帳票の作成が完了した際に、完了通知のメールが送信されます。

ただし、メール配信の停止を行った場合であっても、重要なお知らせに関してはメールが送信されます。

全てのメール配信を停止させたい場合は、アカウントを削除する必要があります。

事業所を初期化する

事業所に登録した会計データの一括削除を行いたい場合は、リセット機能を使用できます。

取引のみ、明細のみといった、特定の種類の会計データのリセットにも対応しています。

リセット機能の利用にはfreee会計にアクセス後に「設定」から「初期設定」欄の「リセット」をクリックします。

次にリセットする期間を設定します。

この時、、年度締め・月締めをした期間のデータは削除できないので、先に締めを解除する必要があります。

また、一度リセットしたデータは復旧できないので、対象期間の設定は注意して行う必要があります。

期間設定後にリセットしたい会計データの種類を選択します。

リセット内容を確認したら「リセットする」をクリックし「リセットを確定する」を選択します。

この操作は中止・取消することができず、リセットしたデータの復旧はできなくなっているので慎重に行います。

有料プランの利用を停止する

有料プランの利用を停止したい場合、アカウントそのものを削除する必要はありません。

支払い停止手続きを行えば、有料プランの利用を停止することができます。

支払い停止手続きの完了後、有料プランの残存期間中は有料プランのままサービスを利用することができます。

しかし、即座に有料プランを停止し、すでに支払った料金の返金を求めるといったことはできないため、注意が必要です。

支払い停止手続き

AndroidアプリまたはWebから支払い登録をした場合、Web版freeeへアクセスを行い、事業所作成者以外のすべてのメンバーを削除します。

削除対象ユーザーの編集ボタンからメンバーを削除できます。

事業作成者以外のメンバーの削除が終わったら「設定」から「プラン・お支払い設定」を開き、画面右下に表示される「お支払い停止手続きに進む」をクリックして、支払い停止手続きを開始します。

支払い停止理由についてのアンケートがあるので入力後、次に進みます。

最終確認の画面が表示されるので、表記された内容を確認し「お支払いを停止する」ボタンをクリックすれば支払い停止手続きが完了します。

支払い停止後は、有料プランの残存期間の終了後、無料プランに移行します。

利用料金を払わない場合でも、自身のアカウントにデータは保存されています。

今後、利用を再開する可能性がある場合などは、アカウント自体を削除する必要はありません。

また、iOSアプリから利用権を購入している場合、有効期限が切れると無料プランへ移行し、自動継続されることもないため支払い停止手続きを行う必要はありません。

アカウントの削除

アカウント削除

freeeの利用を終了し、データを完全に削除したい場合、事業所の削除を行う必要があります。

事業所の削除を行うにあたり、いくつかの確認事項があります。

事業所の作成者がログインしている

事業所を削除する場合、削除したい事業所の作成者アカウントで行う必要があります。

事業作成者はfreeeアカウント管理にログイン後、画面上部の「事業所管理」から「事業所情報」を確認します。

「事業作成者」項目に事業作成者のメールアドレスまたはユーザー名が表示されるので確認できます。

有料プランの支払い停止

有料プランの支払い停止手続きを完了している必要があります。

支払い停止が正常に行われているかの確認は「設定」から「プラン・お支払い設定」を選択して確認できます。

利用中のプランの下に「お支払いは停止中です」と記載されていれば支払い停止手続きが完了しています。

メールアドレスの認証

登録したメールアドレスが認証されていない場合、削除を行うことができません。

freee会計へログイン後に「設定」から「ユーザー設定」を開き確認します。

「メール認証はこちら」ボタンが表示される場合、未認証のため「認証用メールを再送する」をクリックします。

登録メールアドレスに届いたメール本文のリンクをクリックすればメールアドレスの認証が完了します。

パスワードの設定

外部アカウント連携で登録した事業所の場合、freeeのパスワード設定が必要となります。

「英字小文字・英字大文字・数字・記号で構成される」「8文字以上」のパスワードを設定します。

事業所の削除

支払い停止や確認が終わったら事業所を削除します。

事業所作成者アカウントで「freeeのアカウント管理画面」にログイン後に「事業所管理」をクリックします。

事業所管理画面で右上に表示される「事業所の削除」ボタンをクリック後、最終確認事項に同意してパスワードを入力します。

「事業所削除」をクリックし、アカウントの削除を完了します。

削除できない場合

支払いの停止、メールアドレスの認証、パスワードの設定が完了していても事業所の削除ができない場合があります。

電子帳簿保存が無効化されているか確認します。

freee会社設立を使用したことがあり、freee電子公告を利用中の場合は、電子公告の利用を停止します。

メニューから「お支払い設定」を開き、freeeアカウント管理「契約管理」の画面で、支払いを停止する契約をクリックします。

画面右上の「自動更新を解除する」をクリックして、支払い停止手続きを行います。

また「現在システムに一時的な問題が起きているため事業所を削除できません」というメッセージが表示されて削除できない場合、クーポンなどの有効期間を確認します。

クレジットカード以外の方法で有料プランを有効にしている場合は事業所を削除できないため、クーポン等の有効期間が終了してから事業所の削除を行います。

有効期間は「設定」から「プラン・お支払い設定」画面を開き「次回お支払日」より確認できます。

システム上の要件次第では、正しい手順を踏んでいても事業所の削除が行えない場合があります。

そのような場合はサポートデスクに連絡しましょう。

freeeのプランについて

有料無料プラン

freeeなどの会計ソフトを導入する目的は日々の会計業務の効率化と確定申告を行うことにあります。

freeeの無料プランでは確定申告書の作成はできますが、書類の出力や提出を行うことができません。

そのため、確定申告を行いたい場合は、有料プランに加入しておく必要があります。

確定申告後に支払い停止する

確定申告を行う際に有料プランを利用し、確定申告が終わった後に支払い停止することも可能です。

プランの有効期間終了後に無料プランに移行しますが、データは残るため、継続して利用することができます。

無料プラン

有料プランの利用期間終了後、自動的に無料プランへと移行します。

無料プランでは数に制限が設定されているものありますが、銀行・クレジットカードの取引やレシートの取り込みを含む仕訳入力機能を利用できます。

確定申告についても入力まで行うことができます。

しかし、入力した取引データの閲覧・編集・削除は1ヵ月以内のものしか行うことができず、確定申告の出力や電子申告を行うことはできません。

アカウント削除に手間がかかる理由

税法上、法人や個人事業主は、会計帳簿を7年間保存する義務があります。

会計ソフトでは会計データが自動的に保存されるため、意識せずとも義務を果たせます。

意図せず削除してしまいデータを失わないように、必要なステップを多く設けることで利用者本人の明確な意思によって削除することを前提としています。

また、アカウント削除に際して、CSVで会計データを出力しておけば、アカウントが削除されてデータが失われてしまっても、自分で会計帳簿を保存することができます。

まとめ

 

有料プランの利用を停止したいだけであれば、アカウントそのものを削除する必要はありません。

また、無料プランに移行しても入力したデータは保存されているので、後々有料プランの利用が考えられる場合は残しておく方が良さそうです。

会計帳簿など保存しておく必要のあるデータを含め、すべての利用を停止したい場合にアカウント削除を選択しましょう。

株式会社バランスネットワークはfreee認定アドバイザーを保有しており、熊本を元気にしていくため、キャッシュフロー経営に特化した活動を行っています。

会社の目的を明確にし、キャッシュフロー利益を確保するための計画立案から実行までのチーム構築と運用サポートを行います。

経営者や財務・経理のことが苦手という方にもおススメのキャッシュフロー経営講座も行っています。